香十「香皿」デザインコンテスト2020

結果発表

応募作品98作品の中から、一次選考にて25作品を選出、
提出頂いた24作品の中より下記の日時で最終選考を行いました。

2021年 4月17日 13:00~15:00
香十香皿デザインコテスト選考会を銀座本社6階会議室にて行いました。
選考委員 中原慎一郎(ランドスケーププロダクツ代表、インテリア&プロダクトデザイナー)
島田昭彦(京都伝統文化プロデューサー、京都芸術大学講師)
小仲正克(株式会社日本香堂ホールディングス代表)
山田昌彦(株式会社香十天薫堂代表)

【最優秀賞】湯浅明子 様

作品名:「minamo」

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作品詳細
水面にゆったりとした波が広がっていく様子をイメージして制作しました。
お皿と香立ては別になっており、香立てと皿の足元にはカットが施されていています。
そのカットは半透明で光の通り方がやわらかい雰囲気になります。
お皿は足を高くして影が美しくテーブルに映るようにし、水面の影が広がっていくように見える工夫をしました。
湯浅明子様 受賞の気持ち
最優秀賞という素晴らしい賞を頂き、驚きと嬉しさでいっぱいです。
「minamo」というシリーズは今、力を入れている作品のひとつで今回評価して頂けたことは今後の自信になります。ありがとうございました。

【優秀賞】櫻庭遼 様

作品名: SAZANAMI

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作品詳細
お香を焚く際に出てくる灰を、お香皿のデザインの一部として視覚的に楽しめないかと考えた。お香皿のモチーフは細波。波形状のガラス材を、高さを変えてレイヤー状に重ねたデザインとしている。高さ違いで重ねることでレイヤー間に波型の溝ができ、お香を焚く際に出る灰がその溝へ少しずつ溜まっていく。灰の層は白波のような要素として、お香皿のアクセントになる。
櫻庭遼様 受賞の気持ち
この度は優秀賞という賞をいただき、大変嬉しく感じています。私は、この作品提案を通して初めてガラス加工を経験しましたが、こうした初の経験も含めて、非常に有意義な挑戦になりました。ありがとうございました。

【中原賞】綿岡康太 様

作品名: Melt

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作品詳細
この香皿は煙が昇る様子、香が徐々に灰へと変化する様子、その情緒的な物体の変化を装飾する事を目的としています。真鍮の台座がガラスの内側へ沈んでいくような曲線表現はモダンな印象を生み出しつつ、香の直線的で凛とした佇まいを引き立てます。洋式が主流となった私達の生活に沿うような新たなアプローチで香の安らぎを助⾧するプロダクトです。
綿岡康太様 受賞の気持ち
煙の揺らぎや香りを嗜む用途を優先するために香皿は何かを模した形は避けたい思いがありました。結果、使用時に限らず本体の存在感の薄さには満足しています。この度は、お選び頂きありがとうございました。

【島田賞】松下直史 様

作品名:Honoka

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作品詳細
お香を一本使い切ると匂いが強いと感じる人や、狭い部屋などで、寝る前のほんのひとときだけ微かな香を楽しみたい方を想定した香皿です。
素材は磁器で、鋳込みの技法と上絵の銀彩の技法を用いて制作しています。
香皿から、飛び出たお香だけが燃えて途中で止めることができます。そして、燃え尽きたら1番上の部品を1番下に組み替えることで、段々と短く分割していきながら使用します。
一本の線香を分割して使うことで、使う人の節約や、灰を捨てるサイクルが多くなり、灰を貯めることが少なくなり部屋の中の衛生を保つことにも繋がります。
ただ、この行動が少し手間に感じることもあるかもしれません。そこで、香皿の部品それぞれの上面に銀彩の装飾で、線香の量を「月の満ち欠け」に見立てた段々なくなってゆく様子を表現して、変化する絵柄を楽しみながら使えるよう考えました。
松下直史様 受賞の気持ち
お香の匂いが強すぎたり、寝る前などのひととき香を楽しみたかったりする方のための、お香を分割して使える香皿を考案しました。
これを励みに日々の制作を頑張りたいです。

【香十賞】多木翔夢 様

作品名:Ripple

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作品詳細
儚く燃え尽き、水面に落ちた灰によって起きた波紋のようなガラス香皿は、動的でありながら、静けさを感じさせます。
何かの終わりに、何かが始まるような一瞬を切りとった作品です。
多木翔夢様 受賞の気持ち
この度は審査員賞「香十賞」をいただき、誠にありがとうございます。
ガラスの香皿の制作は初めてでしたが、消えゆく火、儚く落ちる灰など、時がゆっくり流れることを考え、表現するのは大変、勉強になりました。
評価を頂いた審査員の方々、普段から制作を応援してくださる皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

【アイデア賞】増谷誠志郎 様 、井下恭介 様

作品名:LINE~生活に溶け込むミニマルな香皿

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作品詳細
線香の幅とほぼぴったりに作られた、ミニマルな香皿です。仏壇を持たなくなり、洋室が増えてきた現代社会の生活の中に溶け込むことを想定した香皿です。
線香の幅とぴったしに作ることで、無駄なノイズをなるべく減らし、普段から使え、またプレゼントなどで送ることを想定してデザインしました。
増谷誠志郎様 、井下恭介様 受賞の気持ち
多様化する現代の生活様式に溶け込み、自分たちが持っていたいモノ、人に贈りたいモノを意識しながら考えました。
シンプルながら、数ミリ単位での調整に苦戦しましたが、結果として賞をいただき大変嬉しく存じます。

【奨励賞】井上愛仁 様、中村敏康 様

作品名:KAGUYA切子香皿(風音)

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作品詳細
技法の異なる2名のガラス作家による共作です。消えゆく香煙の儚さと、風に吹かれ散る花弁の儚さを重ね合わせ、香皿として表現いたしました。
井上愛仁様、中村敏康様 受賞の気持ち
人の繋がりがより貴重な今の時代だからこそ、日本のものづくりの基本でもある「分業」を見直したいと感じ「共作」として挑戦いたしました。歴史と格式のあるお店からの評価を大変光栄に思います。ありがとうございました。

【奨励賞】木綿健二 様

作品名:白雪

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作品詳細
お香の灰を雪に見立てて「白雪」という作品名にした。
お香から出る灰を雪に見立て、それが映えるようにあくまでお香が主役と考え、お皿と香立てはシンプルなデザインで作り上げた。
木綿健二様 受賞の気持ち
この度はこのような賞を頂き、とても嬉しく思います。学生の身ながらこのような経験この度は奨励賞を頂き、とても嬉しく思います。学生の身ながらこのような経験が出来るとは思いませんでした。今後の制作の励みにしたいと思います。ありがとうございました。

【奨励賞】塩田裕未 様

作品名:水明

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作品詳細
ガラスの揺らめきを活かし、お香の漂う煙が映り込む水面を切り取ったイメージで制作しました。
塩田裕未様 受賞の気持ち
この度は奨励賞をいただき、大変光栄です。誠にありがとうございます。香皿の制作は自分自身でも初めての挑戦でしたので、いただいた奨励賞は今後もっとより良いものを制作していく励みになりました。本当にありがとうございました。

【特別賞】赤木亮介 様

作品名:Rear

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作品詳細
お香が持っている色は豊かな自然そのものを表現し、とても美しく優しい柔らかな色合いである。香皿に屏風や額縁のように物体を引き立たせる背景としての機能を備えることで、お香そのものを香皿の一部として取り込み、造形のアクセントや挿し色となる意匠を目指した。最小限の素材と加工で生産コストを抑えながらも、縦と横の両方向で使用が可能な造形により、同じ製品でも角度や置き方で違った印象を楽しむことができる。
またお香の色によって自由に香皿の色を組み合わせることで、国や性別を問わず、さまざまな文化圏の人たちにも取り入れられやすいように考慮した。
赤木亮介様 受賞の気持ち
この度は光栄な賞を頂き大変嬉しく感じております。
お香自体が持つ優しい色に着目し、自身の強みである建築とプロダクトの視点でデザイン致しました。
ご評価頂けたことを今後の励みとし精進していきたいと思います。

【特別賞】木寅玲子 様

作品名:灯明 Sakura gold

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作品詳細
しんしんと降りつづく雪に染まる「かまくら」。
夕闇が迫る頃、ほのかな明かりが灯り、柔らかな光が雪景色を包み込みます。
灯明が醸し出す凜とした美しさと、様々な思いとともに幸せを祈念する姿を表現しました。
木寅玲子様 受賞の気持ち
この度は、私が提案致しました香皿おきまして、素晴らしい賞をいただき誠にありがとうございます。お香の伝統を打ち破る構成を審査員の先生方がどのように評価なさるのか・・・
この受賞を励みに、さらなるデザインの創作活動に邁進する所存でおります。
この度は本当にありがとうございました。

表彰式を2021年5月27日にオンラインで
行いました。
審査員の総評とご参加いただけた受賞者のお気持ちなど画面を通して伺うことができました。

審査員総評

中原 98組の参加をいただいたということで今回3回目ということで年々レベルが上がっていると感じ、またプレゼンテーションをはじめプロらしい方の参加が多くなり真剣に楽しみながら選ばせていただきました。
日本独特の影を使った作品など高度で考え抜かれたものが多かったと思います。
皆様受賞おめでとうございました。
島田 皆様おめでとうございます。今回皆様の作品を拝見してとても心が躍りました。日常の生活で香りを楽しむそんな空間を彩れる香皿、器が創造的に心を打つ作品が多かったと思います。年齢層も幅広くご応募いただいたと思います。
皆様の工夫や使ったときにんなことを感じるだろうかという視点から楽しみに選ばせていただきました。

香皿コンテスト授賞式

作品展示スケジュール

下記のスケジュールで作品を展示予定です。

2021年 6月21日~8月31日
2021年 6月21日~9月30日
香十二寧坂店(京都府京都市東山区桝屋町349-8)
2021年 9月15日~10月31日
2021年 10月中旬~11月30日
銀座本店(東京都中央区銀座4-9-1)
一部受賞作品を2021年秋頃(新たに製造したもの)販売予定です。
(受賞作品本体は販売いたしません)