香十「香皿」デザインコンテスト2018

結果発表

2018年11月22日 15:30~17:30
香十皿デザインコテスト選考会を銀座本社6階会議室にて行いました。

選考委員 中原慎一郎(インテリア&プロダクトデザナー)
島田昭彦(京都伝統文化プロデューサー)
小仲正克(株式会社日本香堂ホールディングス代表)

【最優秀賞】松岡由利子 様

作品名:「雫」

作品詳細
お香の香りを楽しんだ後の灰を溜めておける香皿です。
香皿を少し振ると下のふくらみに灰が落ちる構造になっています。
風で灰が飛ばされる心配がなく、少しの手間で安心してお使いいただけます。
雫がゆっくりと下へ落ちていくイメージを形にしました。
ゆったりとした香りの時間を楽しんでください。

【選考委員より】

小仲 今日はお疲れ様でした。最優秀賞のポイントなどを中原さんからコメントをいただければと思います。
中原 1次審査の時点で、造形のおもしろさ、モダンさに結構ひかれて実物をどういう風に作られてくるかなと思っていたのですが、きちっとした形で作っていらっしゃいました。商品化しても面白いかと思います。そういう意味では新しい香皿としてモダンな提案ができるかなと思ったので一番いいかなと思いました。
小仲 ありがとうございます。それでは続きまして島田さんお願いいたします。
島田 作られた方がお母さんで、子供さんがいる家庭でも使える安全性まで配慮されているし、新しくフレグランスに触れたい、取り入れたい、と思う人の中のニューファミリーのママさんでも十分に使えて、最後の灰の処理、落ちた灰がちゃんと下にたまるような構造も考えられているところがすごく優秀なポイントかなと思いました。
中原 カラーバリエーションも考えられそうですね。
小仲 そうですね。下の色をちょっと変えるとか。
中原 マットに仕上がっているのもすごいモダン。光沢があるよりもマットな方が一種の高級感とモダンさと、ちゃんと兼ね備わっていて完成度が高いですね。
島田 そうですね。総合的な完成度がすごい高いです。
小仲 確かに、拡張性というか、上と下で色を変えてみたりして組み合わせでまた違った世界観が生まれるとか。
中原 そうですね。パーツを別々にしているのもとてもよいです。
小仲 ありがとうございました。
松岡由利子様 受賞の気持ち
この度は最優秀賞というたいへん名誉な賞を頂こととなり、誠に光栄に存じます。本提案をご評価頂きました選考委員の皆様をはじめ関係者の皆様、ならびに提案に至るまでをご協力くださった皆様に、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。 今後はこの受賞を励みに、使うことが嬉しくなる器づくりにより一層尽力してまいります。
この度は、本当にありがとうございました。

【優秀賞】京谷浩臣

作品名: 香る日時計(Fragrant sundial)

作品詳細
35度でお香を立てることで日時計としても機能する香皿。午前7時から午後5時まで計れます。
忙しくなく流れる毎日の中で「過去、現在、未来」へとそのスピードを益々加速させている時間!燃え尽きた灰の中に過去への思いを馳せ、その残り香から未来を想像してみる。そして日の光が落とす影の歩みに今(現在)を感じながらのんびりとした曖昧な時間を過ごしていただければ幸いです。

【選考委員より】

小仲 続きましては京谷さん、京都ご出身の方ご自身でも製陶業を営んでいらっしゃるとのことでございます。技術的にも高いというお話でしたが、中原さんからいかがでしょうか。
中原 はい、コンセプトがきりっとしていらっしゃる。それを体現する技術力を持っていらっしゃいますね。お香ありきできちっとしていらっしゃる。全体的に造形ができているのでお香に火がついている状態でも、ついていない状態でも、ひとつのオブジェとして楽しむことができるというところですごく完成度が高いと思いました。
小仲 ありがとうございます。島田さんお願いいたします。
島田 京都で器を作られている技術力と、やはり総合的な完成度、そしてお香を立てたときの機能としての完成度の両方があるなという感じがしました。後は日時計ということで実際の使えるシチュエーションがすごくあるので楽しみのある香皿だなという風に感じました。
中原 ありそうでないですね。
島田 そうですね。アイデアとしてすごくいいということも付け加えたいですね。こんなアイデアがあったのかと。
小仲 そうですね。最優秀賞、優秀賞と2点残って接戦の末、惜しくも優秀賞ということでしたけれども最優秀賞にしてもおかしくないような作品だったと思います。
京谷浩臣様 受賞の気持ち
この度は「香十香皿デザインコンテスト」におきまして、優秀賞という栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。
普段は急須を主とした日用食器を制作しておりますが、今後も作り手と使い手が共に育てていける器作りに取り組んでいきたいと思います。
作品を評価していただいた審査委員の皆様、ならびに関係者の皆様には心より御礼申し上げます。ありがとうこざいました。

【特別賞・中原賞】福井梓 様

作品名: 陽華文香皿・香立

作品詳細
陽華文というのはオリジナルの模様なのですが、太陽に向かって咲く花のイメージを手書きの筆の線で表現しています。花の模様の香皿の中心に香立を載せると、一輪の花のようになり、横に少しずらして置くと、隣り合う花とつぼみの様子になります。香を焚いている時はもちろん、ただ置いている時にも、ふっと心が和らぐような形になったらと思い制作しました。

【選考委員より】

小仲 続きまして特別賞「中原賞」福井梓さんです。中原さんぜひお願いいたします。
中原 まずは絵付けに目が行ったということですね。柄にすごく、伸びやかなで健康的な、いやらしさがないというか非常に伸びやかさがあってあまり奇抜なデザインではないですが、繊細でちゃんとした世界観が香皿自体に感じることができたので。あまり過剰過ぎず、シンプルすぎず、そういう意味では完成度が高い作品ではないかと思います。
小仲 よくよくみてみるとフェミニンなようでいてマスキュリンな感じもあって結構引き込まれる感じがありますね。今を感じる作品です。
中原 そうですね。絵付けのバランスとかもすごくいいので、そういう意味では完成度が高いというか、今すでに売っていてもおかしくないような印象を受けました。海外のお客様にもいいのではじゃないかなと思いますし、これもまた色のバランスも変えられるものがあったりしてもいいじゃないでしょうか。ちゃんと真ん中のお香を立てる香立のところがつぼみにに見えるように考えられているのもいいじゃないかと思います。
小仲 ありがとうございました。
福井梓様 受賞の気持ち
この度は賞を賜わり、大変嬉しく光栄に思っております。
このコンテストには、今まで作った事のない香皿や香立のデザインを考えることで、自分にとっての新しい表現になったらと思い、出品致しました。とても良い経験になり、今後にも役立てていきたいと思います。本当にありがとうございました。

【特別賞・島田賞】趙杰 様

作品名:「香りの演出」

作品詳細
このデザインは線香の香りを切り口から考えました。元々、線香の長さを三等分してそれぞれの香りの線香を香皿に固定して、3つの香りを楽しむことができるデザインです。区間の香りもっと豊かにする事によって新たな体験を使用者に与えます。

【選考委員より】

小仲 続きまして特別賞「島田賞」趙杰さんです。他とはテイストが少し変わった作品になっています。
島田さんよろしくお願いいたします。
島田 デザイン的にエッジが一番効いているというか、陶器と金属をあわせてつくったというのがとても斬新で21世紀型の香皿デザインかなと。伝統を踏まえながら最先端、モダンなところを表現されて、伝え方もいくつかバリエーションがあって、お香を3本差して、2本差してなどできそうな感じなので、マンションの部屋やホテルの部屋など、置くシチュエーションがかなりイメージ転換できます。こんな発想もあったのだとみなさんにイメージしていただいて、来年再来年のみなさんのコンテストに出していただくひとつのヒントになるのではないかと思います。
小仲 今回の香皿コンテストの中でこういった作品があると、デザイン感というのでしょうか。
島田 そうですね、発想のよさというか、アイデアのよさというところを感じました。
小仲 ありがとうございました。

【特別賞・香十賞】小野美穂 様

作品名:「透器-touki-」

作品詳細
煙をイメージして制作しました。作品中央のお香立てに、お香を立てる仕様になっています。(素材:陶土)

【選考委員より】

小仲 実はコンテストを展示準備している中で、香十のスタッフから強い共感を得ている作品でした。香十がこれから目指す世界観、繊細で新しい作品だと思います。組み合わせというか技術的にも高いものがあるのではないかと思います。榊原社長いかがでしょうか。
榊原 やはり雰囲気が香十の新しいロゴのマークに似ている感じがあって、抜け感というか、多分送って頂いたのは沢山作られたうちの一つなのではないかと。沢山失敗もされたのかもしれません。釉薬をうまく塗っていい色を出しているなと思いました。
小仲 結構並べているなかでグーっと皆の気持ちが集まっているなと感じましたね。
島田 一番手がかかっている感じがありますね。
小仲 そこら辺はどうなのでしょうか?技術的に。
中原 青磁をつかっているというところで、東洋感というか形としては香十にあうのではないかと。その感じと形は李朝というかそういう器のようなアジアの器のきちっとした形で。上の部分は女性的視点というかモダンな視点が入っていて上手い表現なのではないでしょうか。昔の伝統的な部分と新しい部分と。そして女性的、やさしい感じがしますね。
小仲 そうですね。ありがとうございました。
小野美穂様 受賞の気持ち
この度は特別賞「香十賞」を頂き、誠にありがとうございます。
今回の作品は、日常のふとした瞬間の中にある自然のかたちをモチーフに制作致しました。
ロクロで薄く成形した後、一つ一つ穴を掘り自分の理想のかたちを目指します。
普段制作している作品よりも、小振りな作品だった為、失敗も多く色々なことを学ばせていただきました。今後も特別な日に使って頂けるような、自分らしい表現を追求して参りたいと思います。

【アイデア賞】冨本義夫 様

作品名:「富士の山」

作品詳細
外国人観光客の増大に何か対処出来る商品はないかと色々考えている内に、日本のシンボルの富士山をモチーフに陶器で作りました。黒地に雪志野釉で冬の富士を表しました。

【選考委員より】

選考委員 クラシカルな感じで非常に勢いがある。とても存在感が大きい作品になっています。
冨本義夫様 受賞の気持ち
愛知県の常滑市で、生け花用の花器を作っております窯屋のおやじです。
この歳になるまで職人仕事一筋でコンテストなどはとんと縁がなく初めての参加でしたが、ビギナーズラックとでも申しますが、思いもかけず賞を頂戴し感謝に耐えません。
今後はこの受賞を機に少しコンテストにも出品してみようかなどと思っているところです。
ありがとうございました。

【アイデア賞】黄アラム 様

作品名:「山と田んぼ」

作品詳細
日本の陸の自然風景を抽象的に表現しました。
線を編んだ装飾は、日本の伝統工芸の一つでもあるかご作り技法からアイディアを得て作り ました。

【選考委員より】

選考委員 竹編みの感じが京都らしく、繊細でどうやってつくっているのか、と引き込まれる作品です。
黄アラム様 受賞の気持ち
ありがとうございます。
私は現在カゴ作りの技法を取り入れた陶磁器を製作しています。自分の制作テーマを生かしつつ、実用性のある香皿のデザインを考えてみました。こんなに良い賞をもらえて嬉しいです。本当にありがとうございます。

【アイデア賞】長江朋弘 様

作品名:「丹頂鶴」

作品詳細
ニューボン土による圧力鋳造、酸化焼成
上絵付け(赤、黒)

【選考委員より】

選考委員 全体的に完成度が高くセンスが感じられる作品でした。すぐにでも販売できそうです。
長江朋弘様 受賞の気持ち
香皿の製作は、初めてでした。
香→和→鶴というイメージが湧き、その中でいつも扱っているニューボン土の白を生かす丹頂鶴の赤と黒がいいと思い製作しました。鶴が枝をくわえて飛び立つかのように、この作品が皆様のもとに届けばと思い製作しましので、今回の受賞は大変嬉しいです。

【審査を終えて】

小仲 第1回香十香皿コンテス審査を終えての総評をお願いします。
中原 もっと香皿というかお香を使うというところから壁掛けというか、もっと遊んでもいいのではないかと。どうしてもお皿というと限られてしまうのですが、もっと来年以降はお香を楽しむというか、もっととんだ発想が出てきてくれたら嬉しいなと思います。
小仲 今回は香十香皿コンテストとして募集しましたが、香皿というのは次回はいいのかどうかもありますが、来年以降はプロダクトと、技術的によったものとか、生活に密着したものとかそういった視点で実施してもいいかと思います。
島田 今回、作品名というかテーマというものがなかった作品があるのでそれはつけて頂きたいと思います。名前というよりもタイトルというものがあった方がよりよくわかるので。
中原 そうですね。作られる方は名前というか、おそらく作家さんですと日常生活の延長で作られている場合があるので、名前を考えられていない方もありますし、ものをつくるときの歩み寄り方があると思いますが。
小仲 そうですね。来年以降は必ず作品にタイトルをつけてもらいましょう。テーマというか。
中原 デザイン的な視点でくる方と、よりクラフトでくる方がいらっしゃると思うので。来年以降の審査基準もどうするか考えなければですね。
島田 今回も吊り下げ型の応募が進化系としてでていましたが、お皿から、空間の中での香りっていうことになってくると思います。更に、空間と香りの提案があってもいいでしょうか。広がりすぎてしまうかもしれませんが、何回か進めているうちに枝が分かれたそいういったものがあってもいいかもしれませんね。
小仲 空間と香り。プロダクトというところからもうすこし柔らかな広がりがあるといいですね。
【入賞作品の展示につきまして】
2019年4月20日(土)~5月31日(金)
香十二寧坂の店舗にて入賞作品の展示を行います。
ぜひお越しください。
香十二寧坂
〒605-0826 京都府京都市
東山区桝屋町349-8
電話 075-551-0285
営業時間 10:00~18:00